お店探訪『SHIBA COFFEE』(3)

コーヒーを淹(い)れる

一杯のコーヒーができるまで

 

「自分でコーヒーを淹れる場合、いろいろ約束事がないわけではありませんが、最終的には自分で美味しいと思えるなら、それでいいのです」と、マスターの柴田さん。

でも、自分でコーヒーを淹れたことがない方に、一通りの方法を教えてもらいました。

豆を計る

SHIBACOFFEEの「標準」は、少し多めの15~20グラム

 

まず、コーヒー豆の量。

「初めての方は、とりあえず10グラムくらい。一般的なメジャースプーンすり切りくらいで始めるのがいいです。薄めのアメリカンコーヒーが好みなら、ちょっと少なめの7グラムくらいがいいです」

SHIBACOFFEEでは、ちょっと多めの15~20グラムにして、コーヒーの「味」をはっきり打ち出すようにしているそうです。

「もし淹れたコーヒーが濃く感じる場合は、ミルクを淹れる前にお湯を淹れて濃度を調整することもオススメですよ」とのこと。

豆を挽(ひ)く

コーヒー豆を挽く"コーヒーミル"

 

コーヒーのエキスを効率よく抽出するには、炒ったコーヒー豆を粉々に砕きます。これを、コーヒー豆を挽くといい、使う器具をコーヒーミルといいます。

「豆から淹れるいわゆるレギュラーコーヒーをより美味しく味わう為には、コーヒーを淹れる直前に豆を挽くことが本当にとても重要でオススメな方法になります。家庭用のコーヒーミルには、手動タイプや電動タイプもありますが、この際ミルは何でも良いので"淹れる直前に挽く"を試して欲しいですね。SHIBACOFFEEでは2,900円でミルをご用意しています。」

単純にいればコーヒー豆を砕いて粒々にするだけですが、コーヒーの淹れ方によって最適な粒々の大きさが異なり、粒の大きさのばらつきが大きいと「雑味」がでてくるそう。つまり、適切かつ均一な粒々にするのがよく、これに向いているのが臼式というわけ。

「一旦豆を挽くと表面積が大きくなって酸化するなど劣化していきます。このためできるだけ早めに淹れて飲むのが一番。目の前でコーヒーを淹れている当店のカウンターでは、こうした新鮮な味を体験していただけます。ただし家にコーヒーミルがない場合は、挽いた粉で販売する際には当店では新鮮さを保ちやすい密閉できる袋にお入れしていますのでそのまま『冷凍庫』で保管いただくことをオススメしています。」

ペーパードリップへのこだわり

一杯ごとに新しいペーパーで淹れます

 

コーヒーを淹れる器具には、いくつもの種類があり、それぞれ特徴があります。ざっと簡単にご紹介しましょう。こうした器具

1)サイフォン-サイフォン-昭和の喫茶店のイメージ。下のフラスコの水を沸騰させ蒸気圧で上のフラスコに移動した湯とコーヒー豆を攪拌する為、温度の高い香り豊かなコーヒーを味わえます。

2)エアロプレス-エアロプレス-大きな注射器の様な形状で、手動のポンプ圧を加えることで豆のエキスを抽出します。簡易式エスプレッソ装置として開発されましたが湯量を調整すればドリップコーヒーに似た味わいも抽出できます。

3)ネルドリップ-布地のフィルターを使って重力で濾します。布なので洗って何度でも使えます。

4)ペーパードリップ-いわゆる濾紙のような紙のフィルターを使い重力で濾します。一杯ごとに新しい紙を使います。

SHIBACOFFEE は、最後のペーパードリップを採用しています。しかも、ハンドドリップで淹れる理由には、深い深いこだわりがありますので、ぜひ柴田さんが書いた当店がお店でペーパードリップをハンドドリップで淹れる理由』をお読みください。

お湯を注ぐ

豆の様子をみながら、適温のお湯をゆっくり注ぎます

 

「適切なお湯の温度は、80~95度くらいまで、いろいろな説がありますね。温度が低い方が雑味がでないのは確かですが、これは昭和の頃、豆の品質があまりよくなっかた頃の名残かなぁと思っています。令和時代には、流通する中でも高品質コーヒー豆を使う場合は、90℃以上のお湯を使うことが主流になって来ていて当店では93~94℃のお湯を使っています。」

お湯の注ぎ方にもコツがあって、まず少量のお湯を注いで少し待つとふわぁ~と豆全体が膨らんできます。この時、豆の中に含まれていた炭酸ガスが放出されるのだそう。

それから、だいたい3~4分かけてゆっくり抽出するハンドドリップは実に面倒なものですが、ここにこそ「あなたの為の特別な一杯のコーヒーを丁寧に注ぎ淹れます」という思いが現れているのです。

「水」へのこだわりも

SHIBACOFFEEの水は、タダの水じゃない!

 

実をいうと、SHBACOFFEEでコーヒーを淹れるのに使っている「水」は、タダの水ではありません。もともと川崎市は浄水設備は優秀で水道水も決して悪いものではないですがしっかりと濾過をしつつまろやかな味わいは残りやすい業務用浄水器を使用しています。

コーヒーへのこだわりだけでなく、水へのこだわりも、ぜひ、店頭で柴田さんから直接聞いてみてくださいね。

 

4回目につづく